ジョーと飛馬のくれた物 [郷愁]
子供の頃、「明日のジョー」が嫌いだった。
暗いんだ。ジトジトしてたんだ。
少年院とか涙橋とか。一升瓶をかっ喰らう“とっつぁン”とか。
その点、「巨人の星」は取っ付き易かった。背景が明るかったんだ。音楽もだね。「空手バカ一代」、「荒野の少年イサム」とかもいいねー。
どっちみち「梶原一騎先生」に育てられたんだ。
手塚先生とか宮崎先生じゃないよ。
もとい!ジョーだ。あれはやっぱり面白い。実は一番かも。
年月と共に良くなっていくんだ。
なるほど放送開始時も大学生に人気があったとか。
子供の俺には、ただの暗い漫画だった。
今はもう両方とも大好きだ。共作者が違うという事でよりいっそう梶原先生のソウルがクッキリと浮かびあがるんだ。
今から反芻すると梶原作品にはBluesを感じるんだ。そこが男、梶原!って感じで今になってもくるんだろうな~。
「それでもお前はボクシングをやるのか?」「野球をやるのか?」
主人公は必ず一度「逃げる」んだ。
その後、今度は自分というものを見つけて、スンゴイ据わった目に変わって「戻ってくる」んだ。
なにかを諦めたような、神の摂理に対する疑いを捨てて、悟ったように奴らは帰ってくるんだ。そこがなんとも素晴らしいんだ。
俺の中でまだまだ「ジョーと飛馬」は輝いている。
こんな事を書いたのは、先日MXテレビで「あしたのジョー」と「巨人の星2」を見たからなんだ。TVKより映りが悪くて驚いたが、その荒れた映像がよりいっそう昔を思い出させてくれた。
「巨人の星2」はどうかなーとは思う。完璧なエンディングを汚されたような気がしてまだちゃんと見たことは無い。今度は見てみようかなー。
オリジナルの「巨人の星」が再放送の度にだんだん、聞こえないセリフ(放送禁止用語)が多くなっていって最後は放送自体も消えていったように梶原先生の想いも現代の子供たちに届かなくなっていくのかなー。
ちなみに俺の曲「すっぽんぽん」とか「ヒフ呼吸」とか「もったいないBlues」、「洗濯大王」たちを聞いて「あなたの歌詞は説教くさい」と言ったディレクターがいたっけ。その時はそうかもな~と聞き流していた。
だが、今なら、そう、戻ってきた俺ならそいつの家まで行って「ちゃぶ台」ひっくり返してやる!
ぐらいの気持ちがある!
<写真は引き続き「丹下まんじゅう」>
正に偶然なき偶然だぜ!俺もこのコラム読む前に、同じような意味合い(俺はそう思う)をミクったところさ。団ペイオトッツアンや頑固親父は出てこなかったけど。俺もジョー好きだぜ!非力石徹に憧れた。あと、ヤマトとルパ~ンも好きだ。
by ジョイナス修 (2006-10-18 08:40)